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モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。

2015-09-08 23:04:25 セネガル : ジャマ

ボンジュール

モーリタニアの首都、ヌアクショットで一通りやることを済ませ、重い腰を上げ、1週間以上も滞在してしまったこの町を出ることにした。

ただ、次の目的地が明確に決まっていない。
このままセネガルまで行ってしまってもよかったのだけれど、モーリタニアに入った瞬間のヌアジブで感じたモーリタニア人の素朴さにもっと触れたくて、小さな村に行きたいと思っていた。
ヌアクショットはしょぼいと言いつつ、モーリタニアの中ではやはり都市であるので、ここに住むシティピーポーはフレンドリーではあるものの、やはり一定の距離感を保って接してくる。
もっと密にこの国を感じたい。まだ物足りない。
そんな思いを抱えたまま宿を出た。
ただ、どこに行けばいいのかわからない。村は多分無数にはあるけれど、どこの村にどうやって行けばいいのか。
インターネットでいくら探しても見つかることのない情報を求めることは、真っ暗な中宝探しをしているようだ。
今までの宝探しがどんなに楽だったことか。

なんの情報もないまま外に出た。


うーん。


とりあえず、セネガル方面に向かって、道中に村があるかを聞いて、あったら途中で降ろしてもらおう。
なかったら仕方がない。セネガルに行ってしまおう。

ヌアクショットからセネガルとの国境、ロッソまでは乗り合いバンが出ている。
バン乗り場までは距離があるので、タクシーを捕まえた。
なんと嬉しいことにその運転手、英語が堪能だったのだ。

俺「運ちゃん、俺小さい村に行きたいんだけど、ロッソまでの途中にあるかな?」
運「ああ、それならお勧めの村があるぞ!ジャマというところに行くといい。観光客なんていなくて、とてものんびりした小さな村だ。しかもそこから国境を超えることもできる。ロッソで国境を越える必要はない。」
俺「まじ!ありがとう!!」


これは俺にとって願ってもない一石二鳥の選択肢だった。
というのも、初め越えようとしていたロッソの国境というのは、悪名高き国境で、ロッソという単語を調べると、「くそ」「最悪」「カオス」の文字が名を連ねる。
金のために全力で騙しにかかってくる輩や、国境の職員までもが賄賂を要求してくることもあるそうだ。
そう、ロッソは「toilet of western africa」とも呼ばれる。英語のサイトを見れば、「asshole」の酷評が並んでいた。
西アフリカの中でも有数のクソ国境認定である。
その国境を越えなくて済む。しかも元々行きたかった村にも行ける。


暗闇の中で見つけた宝物だ。

極端に情報の少ないここ西アフリカで、人から得る情報が最強で最も有益である。




が、よくよく話を聞いてみると、ジャマまでの直接のバンが出ていないそうで、一度ロッソへ行かなければいけないようだった。
ドライバーの話だと、

ヌアクショット→ロッソ(乗り合いバン:2500ウギア)

ロッソ→ジャマ(乗り合いバンorタクシー:3000~4000ウギア)

とのことらしい。


それならしょうがない、とりあえずロッソまで行くか。

そうして乗り込んだバンが地獄への入り口だった。







2時間半ほどでロッソに着いた。
どうやら乗り合いバンの乗り場的な場所だったので、ジャマまでの乗り合いバンがないか聞いてみることにした。

「ジャマまでのバス、ある?(フランス語)」
「هل تتحدث العربية؟」
「。。。はい?」
「アラビック?アラビック?」
「ノン」

フランス語すら通じない。。
かろうじて近くにいた男がフランス語話せたから聞いてみると、ここからの乗り合いバンは運行していないっぽい。

そうかそれなら、、、と外にいたタクシー運転手が溜まっているところに乗り込み、「ジャマまで行きたい、いくらだ。」と聞いてみると、








「20,000ウギアだ」



















「さようなら」














完全にふっかけてきている。
他の男たちに聞いても帰ってくる答えは同じで、それもそのはず、こいつらは全員仲間だ。仲間内で値段に差をつけて客を取り合うようなことはしないだろう。
こいつら完全に足元見てきやがって。
どうしよう、ここからどうやってジャマに行こう。しばらくそこに座って考えているとニヤニヤしながら
「ヘイマイフレンド!20,000で行く気になったか?」と声をかけてくる男。

こんなやつらに絶対に金を払いたくない。


あてはなかったけど、妥協してこいつらに金を払ってしまうのが怖くて、その場を離れた。
歩いている間も通りかかるタクシーを止めては値段を交渉する。

「30,000ウギア」

「16,000ウギア」

「20,000ウギア」

どれもパッとしない。

こちらから声をかける人以外に、あちらから声をかけてくるやつも沢山いる。
こいつらの目的は確然としていた。
そもそもバックパックを背負ってロッソを歩いている俺はロッソから国境を越えようとしているバックパッカーに見えているに違いない。
ロッソの国境まで乗っけて金をふんだくってやろうという魂胆だろう。
(ロッソフィルターがかかっているため全員が悪者に見えている状態)

そういうやつらはかたっぱしから無視!
一旦商店に入ってジュースを飲みながら休憩しつつ、荷物を置かせてもらい外に出て交渉しに行く、疲れたら商店に戻る、そのルーティーンをしばらく続けていた。
途中12,000で連れて行ってくれるという人が現れたんだけど、欲深い僕は10,000にならない?としつこく交渉してしまった。
この粘りが交渉を決裂させたのだけれども、今となってはここで乗っておくのが最善の選択だったとはっきりと言える。
ただこの時はヌアクショットのタクシードライバーの発言(「ロッソからジャマまで4000ウギアで行けるぞ〜」)を盲信していたから、それを大きく超える値段は払いたくなかったのだ。


なかなか移動手段が見つからない姿を見かねた商店のにいちゃんとおっちゃんがある提案をしてくれた。
ジャマまでの間にキャルメセンという村がある。とりあえずそこまでいったらどうだ?そこからジャマまでの移動手段はそこで探せばいい。


文章でそれぞれの町の位置関係を伝えるのが難しいから簡単な図を描く。



   ヌアクショット
    |
    |
   ウェイビア
   | |
   | |
  キャルメセン|
   | |
   | ロッソ
---セネガル国境------
   |
   |
   ジャマ

本当はヌアクショットとロッソの間にあるウェイビアという分岐点で降りていれば、そこからジャマに向かう乗り合いバンがあったらしい。
ロッソからジャマまで直接行くルートはないから、どんな手段で行くにせよ一度ウェイビアに戻らなければいけない。
おっちゃん曰く、そこにいるタクシー運転手(よく見たらさっきからしつこく誘ってくる運転手じゃねーかw)なら、ロッソ〜ウェイビアを1000ウギアで、ウェイビア〜キャルメセンを3000ウギアで乗せて行ってくれるぞ。と。
時間はすでに18:00。今からジャマに行っても真っ暗な中着いて、そこから寝床を探して、何も見えないまま夜を明かして、次の日出発なんていうことになりかねない。
それなら手前の村で一泊して、次の日ジャマでゆっくりする方がいいのでは。
そう考え、その線で行くことにした。

















………というか、ちょっとまて。何かおかしいぞ。




俺はヌアクショットのタクシー運転手にこう質問したはずだ。

「ロッソまでの間に村はあるか?」

上図を見ていただきたい。
ジャマはヌアクショット~ロッソ間を大きく外れ、なんならモーリタニアではなくセネガルにある村であった。
そもそもロッソからあると言っていた乗り合いバン。これがない時点で気づけばよかった。
全てはあのタクシー運転手から始まったと。


しかしここまで来たからには後戻りできない。
とにかく4000ウギアでキャルメセンを目指すことにした。


両手に広がる荒涼とした大地にぽつん、ぽつんと現れる村々を横目に見ながら、一直線に伸びた道を時速100kmでぶっとばす。
彼らの暮らしを、時間の流れを知ることもできないまま素通りする苦しさは旅の宿命だろうか。
それでも俺は目指さなければならない場所がある。二度と目にしないであろう、自分との一切の関わりを持たなかったこの場所をせめてこの目に焼き付けようと、だんだんと暗くなる外を眺めていた。
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周りに村も何もないところに人がぽつんと座り、タクシーを止めることがある。彼らは何もないところからタクシーに乗り込み、村で降りていく。
助手席にぎゅうぎゅうに詰めて座る女性二人や、よろよろで車を降りるのもままならないおばあちゃん。
降りるのが大変そうだったから少し腰を支えてあげると、付き添いの女性が笑顔でお礼を言ってくれた。言葉はわからなかったけど、「いい旅を」ということにしておこう。
こういう本当に些細なこと一つで、彼らの時間の中に自分が存在できたということが嬉しくなる。



車がいきなり道をそれて、砂が広がる荒地の方に走り出した。
なんだと思ったら、ウリボーを沢山随えたツノを生やしたイノシシが歩いていたのだ。
車でウリボーだけを追いかけて走らせるドライバ。最後にはちゃんと親と合流して。遠くの方に走っていった。
そのほかにも、種類はわからないけど猿とか、野生のロバとか、動物が姿を見せる度に車で近づいて見せてくれる。
さながらサファリツアーのようだった。以外と気がきくドライバーじゃないか。
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あたりも日も沈んであたりも暗くなったところでキャルメセンに到着した。
車を降りた瞬間に俺に注がれる村とたちの視線。おそらくその場にいた全員がこちらを見ていた。
とてもいい状況だ。この村は旅行者が来るような場所ではないということを意味していた。

この村には宿はないぞ、とドライバー。
いいよいいよ、そこらへんにテント張るから!
というと、ちょっと待ってろとそこらへんの人に話しかけ、何かをお願いしてくれている。

なんと寝床をお願いしてくれていた。

恰幅のいいアフリカンな女性がこっちよ!と威勢良く案内してくれた先は、まるでヤギの小屋のような場所にゴザが敷いてある空間で、ここで寝ていいよとのこと。
本来は食堂の食べるスペースらしいのだけど。
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あああああああああああ、なんてありがたいこと。
最初はうっとおしかったドライバーも実はものすごいいいやつだったし、おそらく観光客なんて立ち寄らないであろうこの小さな村に降り立った見知らぬアジア人に、ためらうことなく宿を差し出してくれた村人にも感謝の念でいっぱいだった。
なにより、ウルルンのようなこの状況が嬉しくてたまらない。
この村に来るという自分が下した選択肢が産み出したこの瞬間に恍惚とする。
ああああ、この上なく気持ちいい。



村の人と話してみたくなって、外へ出た。
といってもフランス語が話せない俺は、表情とジェスチャーで会話することになるのだけれども、言葉で会話するよりも距離がぐっと縮まるのはなぜだろう。
子供達は写真を撮ってーとキメ顏でポーズを決め、若者は一緒に写真を撮ろうぜとわらわらと集まってきて撮影大会が始まる。
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モーリタニア人は本当に人懐っこい国民性だ。
東洋人の部外者に拒否感を示すことなく受け入れてくる彼らと話していると、妥協せずに自分の思った道を進み続けてよかったと感慨を覚えた。
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彼らと写真を撮っていると、制服を着た男が話しかけてきた。






警察だ。






この国の警察は何かにつけて絡んでくることが多い。

パスポートを見せろ、まではよかったのだけど、そのあとの一言に今までの浮かれモードが一気に冷めた。











「今夜は警察署に泊まってもらう」











「は?なぜ?」
「セキュリティ上の理由だ」
「いや、、ファミリーが泊めてくれるって言ってるからそこでいいんですけど。」
「ノーノー」
セキュリティという大義名分のもと、警察署に拘束されることになってしまった。

ああ、俺のウルルンが。

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警察署に着くともう一人、アラブ系の男が現れた。こいつがもう本当にうっとおしくて。
まずフランス語で何を言っているのかわからないってい言ってんのに、何回も同じ質問をフランス語でいってくる。
3回聞けばわかるようになるとでも思うの?
俺の素晴らしい解析能力で、なぜロッソからセネガルに行かないのか、ヌアクショットにはどれくらいいたのかなど、聞いてどうするの?という質問ばかりということがわかった。
お前らの暇つぶしに付き合わせるなよ。

しかも、じゃあ今夜はここで寝ろ、と指をさされたのは、警察署の中の床。ではなくて、外の砂の上。

俺「は?本気で言ってんの?お前らの都合でここに連れてきたんだろ?俺は別にさっきのファミリーのとこで寝てもいいんだ。せめて建物の中で寝かせろ。」
アラブ「それはできない。俺らはみんな暑いから外で寝る。その時ここのドアはロックするからお前らも外で寝ろ。」
俺「知るかボケ!お前らの都合を俺に押し付けるな!」
ア「はあ、、、わかった、じゃあここでもいいなら中で寝てもいい。ただ外から鍵をかける。」
見せられたのは牢獄(リアル)。
俺「。。。ふざけんなよ。。くそ。あーもういい外でいい。なんか敷くものくれ」
ア「ほら、これとこれ」
俺「てかそこにベッドあんじゃん。それよこせよ。」
ア「これは俺らのだ。その敷物で十分だろ、快適だぞ」
俺「お前らはベッドがあるから快適だろうな!くそ!ボケ!死ね!

こんなにイライラしたのはいつぶりだろうかってくらい頭に血が上った。
俺のウルルン返せとばかりに悪態をつきまくった。

なんと朝まで警察署の敷地の外にすら出るのもダメというので、再び切れる。

「ふざけるな。俺は腹が減ってるんだ。早く出せ。」


パスポートさえ人質に取られていなければこんなところすぐに出て行ってただろう。
うざいアラブ男がつきそうという条件で外出が許可された。
先ほど泊めてくれるはずだったファミリーは食堂もやっていて、そこで腹を満たす。
パスタを鶏肉と一緒に茹でた料理は、この日何も食べていなかった俺の胃袋に染み渡っていく。とてつもなくうまい。
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俺「この料理、名前なんなんなの?」
ア「マカロニだ」
俺「まんまじゃねーかよ」

ご飯を食べ終わり、ああ、本当はここで寝たかったな、、とたっぷりの未練を引きずりながら商店に入り水を購入。
その時アラブ人が真顔でこう言った。







「俺の分は買ってくれてないのか?」



















































「殺すぞ」





















一観光客がなぜ警察署に拘束されなければならないのか。
そんな権限あいつらにあるのか。
理不尽すぎる。

考えれば考えるほどイライラする。
でもこれが変えようのない現実だ。
どう抗っても変わることのない現実に反抗するだけ体力と気力の無駄遣い、諦めるという単純かつ最も難しい行為が最善の選択ということは頭ではわかっている。
わかってはいるのだけど、そんなに即座に合理的になれないのが人間だ。
アフリカに来て、人間臭い人々と関わるうちに、今まで自分の中で処理しきれていた感情がどっと溢れるようになったみたいだ。
怒りや悲しみや喜びの表現が濃くなったような気がする。



結局そのあともアラブ男と口論するだけ口論して、砂の上で眠りについた。
砂漠の夜は冷える。




翌日、砂まみれで起床。




早くポスポートを返して欲しかったのに、うざアラブが俺の携帯を見せろと言ってくる。
は、やだね、なんで見せなくちゃいけないんだよ。
拒否していたら、もう一人の警官が、
「昨日村の商店に泥棒が入ったんだ。昨日村人と写真を撮っていただろ?その中に犯人がいるかもしれないんだ(たぶんこんな感じのこと言ってた)」
と説明してきて、俺が一緒に写真を撮った人の中に犯人が写ってるっていう意味がちょっとわからなかったけど、これが村人のためになるならと思い、携帯を差し出した。
うざアラブのためだったら1000%拒否してたね。

一通り村人たちの事情聴取が終わり、やっとパスポートを返してもらってようやく解放された。
*9:30


どっと疲れた。が、俺はまだ国境すら超えていないのだ。


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道に出て、この何もない村で情報収集をする。
それにしても何もない村だな。こういう場所にこそ旅の真髄を感じる。
一応そこらへんにいた車に、ジャマまでいくらで乗っけてくれるかと聞いたら、20,000と。

はて?20,000?ロッソからジャマまでの金額ど一緒じゃないか。

無視!無視!


そうすると店の中から一人のおっちゃんが手招で俺を呼んでいた。
おや、タクシーを紹介でもしてくれるのか?と思ったら、どうやらおしゃべりがしたいみたい。笑
カップが空になった瞬間に新しいお茶を注いでくれる。
ジャマについて聞くと、周りにいた別のおっちゃんが、13:00くらいにヌアクショットからジャマに行く乗り合いバンがこの村を通過するからそれに乗るといいよ!と教えてくれた。しかも値段は2000ウギア。安い。
2〜3時間くらいなら全然待てる。

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時間を潰すのにすることといえば、座ること、水を飲むこと、水を飲むこと、水を飲むこと、くらいだろうか。
なんせ腕時計についている温度計を見ると、43度をマークしていた。
さらに過酷なことといえば、地理的な要因なのだろうか、正午に近づくにつれて太陽が真上に登るのだ。つまり、建物の壁沿いにできていた影に息を潜めていた僕は、徐々に太陽の光に照らし出された。

過酷以外の何物でもない。まだ水を買える店があるのが救いだが、この乾いた土地で、建物に入ることすらできず野外でひたすら時間が過ぎるのを待つというのは、肉体的にも精神的にも来るものがある。
無言でいると、太陽に炙られる体から「ジリジリ」という音が聞こえてきそうになるので、人間観察がてら写真を撮ったり村人に喋りかけたりするブレイクも挟むことを忘れない。

俺が座り込む隣で野菜やら、魚やらを売るおばちゃん。
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て、え?!魚?!




砂の国ということで忘れていたけど、今俺がいるのは海に程近い場所だ。魚が獲れても不思議ではない。
が、なんせ、この高温の中、氷も保冷器具もない状態で地べたに置かれている魚はすっかり変色し、激臭を放っていた。
その横に積まれている野菜、おばちゃんが大きめのナスを取り上げた瞬間、ナスの中からどろどろどろ、、、と半液体がこぼれ出した。
それ、腐っているんですよね。。。。?
ちょっと待ってくれ、それ本当に食べるつもりなのか?
心からこんな疑問が湧き出てくる傍でちゃんと購入してく人がいるんだもの。

確信した。根本的に肉体の作りが違う。絶対にそうだ。


喉が渇いた的なことを言うと、写真手前に写るクーラーボックスからキンキンに凍ったジュースを笑顔で取り出したおばちゃん。










え、、、っと、あれ?クーラボックスあるの、、、?え、あれ、、、魚こっちに、、、、、、。いや何でもないです。







頭の思考回路もだいぶ違うらしい。



遠くで衝撃の光景が見えた。
おじさんがヤギの首を折って殺していたのだ。
おじさんは殺したヤギを吊るし、器用に皮を剥いで内臓を取り出している。

恐ろしかったのは、皮を剥ぎ、肉を切り刻むその様子ではない。
全ての皮がはがれた瞬間、そこに吊るされているものが命を持っていたものではなく、売り物の肉に見えてしまったことだ。

衝撃的な光景ではあるものの、自分が普段いただいている肉がどのように生物としての肉から、商品としての肉の塊になるのか、その過程から目をそらさず視覚的に認識することは、命を食すことへの感謝と、生命への畏敬を忘れないために必要なことだと思った。
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このように周りの人間を観察している間も、ただ黙ってバンを待っているわけではない。
バンがこないという割と高い可能性を考慮して、南に向かう車を止めては、乗せてくれないか交渉する。
つまり、バンを待ちながら、ヒッチハイクで保険をかけるのだ。
ただし、国境近くのこの場所でタダで乗せてくれる人なんてまずいない。みんな20,000やら、15,000やら高額をふっかっけてきて、そこから値段は全く落ちない。
思うのだけれど、車に空きがあるなら安くでも乗せたほうが儲けになるのになぜ頑なに値段を下げようとせず、そんな安くなら乗せないと走り去ってしまうのだろう。


バンが来と最初に言われた時刻、13:00になった。バンは来ない。正直13:00に来るなんて思っていない。
ヒッチハイクを続行。気温は相変わらず40℃を超えている。逃げ場のないこの状況に、軽く命の危険さえ感じた。
たまにうざアラブが警察署から出てきて話しかけてくる。ああああああああああ暑い、あああうざいうっとおしい!!!!!!
うざアラブの英語話せる友達に電話して、「話せ」と電話を俺に渡してくる。通訳させるためだ。
通訳「なぜまだこの町にいるのか」
俺「バンを待ってるんだよ(いちいち聞いてくんじゃねーよめんどくせ)」
うざアラブに電話を戻す。うざアラブが何かを電話越しに伝え、再び「話せ」と俺に電話を渡してくる。
暑さもあってイライラがピークに達していた俺は大声で「NO!!!!!!!!!!!!」と叫んだ。こうしてうざアラブは去った。

14:00、バンは来ない。ここら辺から、もしかしてもしかするかもと思い始めた。

14:30、暑さに耐え切れず、商店の入り口の風通りのいい場所を陣取って座り込む。店主が何を言おうと退くつもりはない。

15:00、バンは来ないが、一台の車が止まった。交渉しようとすると、さっき陣取ってた商店の店主が寄ってきて、ドライバーと何かを話している。店主曰く、なんと2000でジャマまで乗せてくれるとのこと!
すでにぎゅうぎゅうの車内がさらにぎゅうぎゅうになった。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。
後ろの席には7人、俺の隣に一人、運転手一人、計10人。
※乗用車です

朝から待ち続けた国境までの車をやっと捕まえられた嬉しさで、車内ではご機嫌だった。


その機嫌の良さも3分後には最悪の機嫌に変わることになる。


何かわからないけど、チェックポイントみたいな場所があり、そこで降りるように指示された。
何が起こっているのかさっぱり掴めない。
そこにいる警官、というかアーミーっぽいやつに話しかけても、超高圧的な態度で何かを言っている。
ドライバーに、「え、ジャマに行くんだよね?」と聞くと、当たり前のように「ノン」と返ってきた。



















はああああああああああああああああ?お前さっきジャマ行くって言ってただろうがふざけんなよおおおおおおおお!!!!!!



理由を聞いても答えが返ってこない、というかフランス語わからないから会話ができない!
この時ばかりは本当に何が起こっているのかわからなかった。
だるそうにベンチに横になりながら、「ほれ早く戻れ」的なジェスチャーをされたのにも腹がたつし、何より期待させといて最後に落とされるこのプレイに怒りを覚えた。

何を言ってもジャマに行けるようにはならないので、車に戻り、キャルメセンまで戻り、5分前と全く逆の行動をして、5分前と全く同じ状態に戻った。
5分前と違うことといえば、トランクに積んだ俺のバックパックに、うんこみたいな臭いベチョっとしたものが付いていたことだ。
バックパックにうんこがつくという変化のみを体験し、やり場のない怒りを抱えながらも、ヒッチハイクを続行しなければならない。

なんなん、なんでこんな双方にまったく利益のない行為をしようと思ったの?この謎は未だに解けていない。



最初にバンが来ると教えてくれたおっちゃんは常に俺のそばにいた。そしてヒッチハイクが失敗するたびに、心配するな、そのうちバンが来る!と言ってくれていた。
そのおっちゃんが、
「あれ?さっき車に乗ってたよな?なんで戻ってきたんだ?」
とそんな雰囲気の顔で話しかけてきて、
「もうこの車に乗れ!これがラストチャンスだ!」
とそんな雰囲気のことを言ってきた。


あれ、、、バンは?w


おっちゃんの急かし具合から、この時間になってもこないということは今日はもう来ないと踏んだのだろう。

結局2500(1000円)でジャマまでという落としどころだった。
15:30、車を捕まえる。警察署を出て6時間後のことであった。

それにしても、トランク、閉まらないほどに荷物を詰めて、閉めないまま走り出した。まじで、、、、?大丈夫?
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例により、助手席に二人詰め、後ろにも大人が4〜5人詰めている状態で車は悪路を飛び跳ねながら走った。
こんな道が1時間くらい続く。
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案の定荷物(俺のではない)落としてドライバー来た道を戻ってたわwwwww

途中、国立公園に入るという名目で2000ウギア払わされた。領収書も出たからこれは賄賂ではない。
し、この国立公園、いろんな動物がいて、まるでミニサファリ!中でも興奮したのがこのカメ!!!!!


モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。
かわゆし!!!!!!!!!!!!!!


そのまま国立公園を抜けて、セネガルの国境で降ろされた。
あれ、ジャマまで連れて行ってくれんじゃないの?まあ国境越えてすぐそこがジャマだ。いいだろう。

なんの問題もなく出国スタンプを押され、モーリタニアの通貨ウギアをセネガルの通貨フランセーファーに両替した。

この道を通り過ぎた先がセネガルである。
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このジャマからセネガルに入国した人を俺は知らない。から、俺の中では俺が最初にここからセネガルに入る旅人だ!
そんなことを心の中で叫びながらセネガル川を越え、セネガルに入った。
イミグレでは、心配していたビザもなんの問題もなく(今年5月から日本人はビザなしでセネガルに入れるようになった)、無事にセネガル入国!!モーリタニア、ありがとう、そしてさようなら。

砂の国から一転、湿気を帯びた体にまとわりつく空気に、セネガルとモーリタニアを隔てるセネガル川、その周りに広がる湿地と緑。隣の国でここまで景色が変わるというのは割とよくあることであるが、気候や自然環境がここまで変わるのは珍しい。
川沿いの道を30分ほど歩いて、ようやくジャマについた。日はもう沈んでいた。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。

あたりが暗くなる前に宿を探さなければ。と思ったのだが、イミグレでこの村に宿はないって言われてたんだ。でもキャンプサイトはあるらしい。
探し始めてから10分くらいして一気に暗くなった。街灯なんてあるはずがないこの暗闇の村をペンライトを照らしながらすすむ。
道行く人に、キャンプサイトはどこですか?と聞きながら歩を進めるも、みんな言っていることが違う。ここからかなり離れてるという人もいれば、すぐ近くにあるという人。
ある少年が、そこまで500CFA(100円くらい)でバイクで連れって行ってやるよと言ってきた。疲れ切った体で暗闇の中をこれ以上捜索するのも嫌だったから乗せてもらうことにした。

のだが、バイクはどんどん村を離れ、人の気配がない森の中に入っていく。
しかも、謎に他の少年たちもバイクでついてきている。
この時、やられたって思ったね。
人気のないところで金を巻き上げられるんだろうなって。

しかし連れて行かれたのは、意外にもキャンプサイトっぽい看板のある場所。ではあったのだが、怪しすぎる。まず見た目が怪しい。ブレアウィッチプロジェクト並みに怪しさ漂うその空間に足を踏み入れ、中にいたこれまた怪しい男に値段を聞くんだけれど、返ってくるのが謎の言葉。
だめだ。もうここに居たくない。ここにテントを張る気になれなかった俺は、「今すぐジャマに戻れ。今 す ぐ だ。」と少年らに言い、バイクに乗った。


もう村のそこらへんで野宿しようと思っていたら、その少年軍団のなかの一人が、自分の部屋に名乗り出てきた(有料)。まあ許せる額だったので、疲れもあったしシャワーも浴びたいしちゃんとしたベッドで寝られるならと泊めてもらうことに。



ああ、恐ろしく長い旅路だった。やっと寝れる。。。




パタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタパタ




え、なに、なんの音?




ばたばばばばばばばばばばばばあばば











コウモリ!!!!!







部屋の中にコウモリが飛び回っていた。はあ、、、、もう、、どうなってるんだよ。。。
幸い蚊帳があったから、蚊帳の中までは入ってこないだろうと安心していたのだけど、トイレに行こうとした時に激突された。



そして、、、、、、、、暑い!!!!!!!

日本の夏のようなむしむしとした湿気の中、空気の流れを微塵も感じることのできないこの部屋で、蚊帳というさらに狭い空間の中で窒息するのではないかと思うくらいだった。
眠いのだけど、寝ようとすると汗が噴き出してくる。Tシャツはビショビショ。この環境下で寝ることができる人はいるのだろうか。結局俺は朝方まで眠りにつくことができなかった。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。


夜が明けると、昨日はなにも見えなかった村の様子が目に飛び込んでくる。
ああ、こんな姿をしていたんだね。
ヌアクショットからわざわざこの村を目指してやってきたけれど、ここにたどり着くまでの道中が濃すぎて、本来の目的が薄らいでしまったようだ。
この村でしたことは特にはないけれど、ジャマは一つの冒険のゴール地点として俺の旅に刻まれた。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。

この日は砂の国ではめったに見ることができなかった青い空が顔を見せた。
モーリタニアからセネガルに入国!それは恐ろしく過酷な旅路。



ああ、過酷だ。体も疲弊しきっている。
けれどこの充足感はなんだろう。
困難や障害を乗り越えて旅路を進み続けている確かな感触が、旅への渇望を刺激し、疲れた体を突き動かす。
さあ、セネガルの旅を始めよう。

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2015/09/07

世界一しょぼい首都?!モーリタニアのヌアクショットで過ごした変わらない毎日の中にあったもの。

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2015/09/10

世界遺産の島、サンルイ。セネガル、まだそこまで好きになれません。

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COMMENT

70

暇じゃないけどコメント!(笑)
すげ〜!おもろ〜!
ケーちゃんも一回ぐらい留置所入れば良かったのに(笑)
これぞ旅って感じだね!
更におもろい話待ってるよ〜♪

返信 REPLY

2015-09-10 22:53:04

kei

わーいなおさんコメントありがとう!正直に暇って言えばいいのに〜

本当だね、ネタのために牢獄で寝ればよかったwwあの時はネタ作りまで頭回らなかったわ〜、まだまだだね!
俺が求めていた旅はアフリカにあったようだよ。
さらに面白い旅を求めて進みます!!

返信 REPLY

2015-09-11 17:39:23


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